【ケース12】遺留分減殺請求をされてしまったけれど…

不動産を売って、現実にはそんなにお金は作れない!

父の勲は、その財産である自宅不動産(時価3000万円)と老朽化したアパート(時価1000万円)の全部を子である私康雄に相続させると遺言。

 

ほかに父の財産はほとんどない。

相続人は私と弟の久。さきごろ父が死亡した。

 

遺言書を弟に見せたら、弟は激怒して、遺留分減殺請求の通知を送ってきた。

もともと、私はアパートは欲しいと思っていなかったので、

image21弟にアパートをやると話をしたが、弟は拒否。

現金で1000万円欲しいと主張する。

アパートを1000万円で売却できても、

手数料や税金がかかって1000万円には足りない。

足りない分は、どこかで調達しないといけないの?

 

【弁護士からひと言!】

遺留分も考えたうえで、もめない遺言書の作成を!

遺言書があっても、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があります。

遺言書によって一旦は、遺産は遺言書どおりに権利が移転しますが、民法は、兄弟姉妹以外の相続人の最低限度の取り分として<遺留分>を定めています。

遺言書によってこの遺留分に足らない財産しかもらえない相続人が、遺言書によって多くをもらうことになった相続人に対して、「私の遺留分を戻して欲しい(「遺留分減殺請求」といいます)」という意思表示をすれば、遺留分の割合だけ遺留分減殺請求をした人に戻ることになるのです。

遺留分は、ほとんどの場合は、本来の相続分の2分の1ですが、両親や祖父母などの直系尊属だけが相続人の場合は、本来の相続分の3分の1が遺留分になります。

兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、どのような遺言書を作っても、なくすことはできません。

このケースの場合、遺留分減殺請求がされて、法的には、全部の遺産について弟久さんの遺留分4分の1が戻るということになり、

康雄さんが久さんの意向を無視して特定の遺産をあげて解決する、というわけにはいきません。

久さんに遺留分があることはわかっているのですから、勲さんが遺言書を作成する際に、自宅は康雄さんに、アパートは久さんに相続させる、という遺言書を作成しておけば、久さんは遺留分を主張できないことになります。

ですから、康雄さんがアパートの取得を望んでいなければ、父勲さんと相談して、そのような遺言書を作成しておけばよかったのです。

遺言書を作成する場合は、弁護士に相談し、相続が開始した時点で想定される事態を知った上で、それぞれの事情に応じた遺言書を作成されることをお勧めします。

遺言書作成手続はこちら

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