【ケース3】甥っ子が相続人になるなんて

夫婦で築いた財産なのになんで甥に権利があるの?!

私、幸子の夫である宏は、兄の勝と二人兄弟。

夫の両親はすでに他界していない。

兄の勝も数年前に死亡。

 

わたしたち夫婦の間に、子どもはいない。

ふたりで共働きをして、念願のマイホームを手に入れたところだった。
自宅不動産の名義は夫の宏になっていた。

宏はガンだと宣告されて、1年前から療養していたが、先月、亡くなってしまった。

image12子どもがいない場合には、兄弟が相続人になるとは聞いていたけれど、兄の勝が死亡しているので、相続人は私一人だと思っていた。

自宅の名義を私に変えようと思って司法書士のところに行ったら、兄の勝の子どもである、甥っ子の和也と達也の承諾が要ると言われた。

なんで?

 

【弁護士からひと言!】

■子どものいない夫婦は、ぜひとも遺言書の作成を!■

本来、相続人となるべき人が相続の開始前に死亡していた場合は、その方の子どもがその方に代わって相続人となります。

幸子さんの場合、夫の宏さんがお亡くなりになったときに兄勝さんが生きておられた場合は、幸子さんと勝さんが相続人でしたが、

勝さんが宏さんよりも先にお亡くなりになったので、その子どもである和也さん、達也さんが相続人になります。

これを、「代襲相続」といいます。

【ケース2】では、お父さんに他に子どもがいることを知らなかった事例ですが、今回は、甥である和也さん、達也さんがいることはわかっていたけれど、その甥が相続人であるとは思わなかったというケースです。

子どもがいないご夫婦の場合、このようなことがしばしば起こります。

この場合には、夫宏さんが「すべての財産を妻である幸子に相続させる。」という

遺言書を作成してさえおけば、何ら問題は起こりませんでした。

【ケース2】では、お父さんの遺言書があったとしても、子どもである陽子さんが権利(遺留分減殺請求権)を主張すれば、お父さんの遺産に対して4分の1(本来の相続分の2分の1)の権利が生じるとご説明しました。

しかし、兄弟姉妹には、この<遺留分>の権利がなく、宏さんの兄勝さんに代わって相続人となる和也さん、達也さんにもこの<遺留分>はないのです。

ですから、宏さんが「すべての遺産を妻である幸子に相続させる」という遺言書を作成しておけば、和也さん、達也さんの協力がなくても不動産を幸子さん名義にすることも預貯金の解約もできるだけでなく、甥である和也さん、達也さんは宏さんの遺産に対して何の権利も主張できなくなるのです。

誰が相続人になるのかについては、事前に専門家にご相談し、確認なさってください。

特に、子どものおられないご夫婦は、要注意です。

遺言書作成手続

関連記事

ページ上部へ戻る