【ケース6】夫が亡くなった後も、姑の介護をしてきたのに…

姑名義だった自宅、相続するのは夫の弟だけだなんて

私、英子は結婚してから、ずっと、夫春樹と姑利子と同居。

夫の春樹は、弟の冬樹と二人兄弟で、姑は女手一つで二人を育ててきた。

夫は姑を大事にしてきたので、私も夫の気持ちを汲んで姑とはうまくやってきた。

 

夫が姑より先に亡くなってしまった。

 

私と夫の間には子どもはおらず、私と姑が相続人だが、姑は「春樹の財産はあなたが一緒につくったものだから」と言ってくれてすんなりハンコを押してくれた。

夫が亡くなったのだから、姑の面倒は、本来、実の子である弟がみるべきだと思うが、弟は仕事が忙しく、弟の嫁は姑を嫌っている。

姑がすんなりハンコを押してくれたこともあり、私が面倒みなければ、という気になって、このまま同居して、姑の老後は私がみることに。

一人で姑の身の回りの世話をするようになって15年。

image15晩年は寝たきりになったけど、介護ヘルパーさんの手を借りたりしながら、自宅で看取った。

弟から、「感謝している」として100万円渡されたが、「自宅は母親のもので、自分が相続した。

もう、母もいないし、売却しようと思うので、出て行ってくれ」って。

ええ~、35年もここに住んで、姑の世話も全部私がしたのに!

 

【弁護士からひと言!】

■「寄与分」も相続人でなければ主張できないのです■

どんなに亡くなった方に尽くしても、相続人でない方には相続権はありません。

もし、姑利子さんがお亡くなりになったときに春樹さんがご存命で、利子さんの相続人が春樹さんと弟の冬樹さんだった場合には、春樹さんの代わりに英子さんがお姑さんの面倒をみたものとして、寄与分として、春樹さんの相続分が増える可能性があります。

この場合の寄与分とは、春樹さんの妻である英子さんが利子さんの療養看護に尽くしたことで、利子さんが施設に入ったり、職業介護を依頼した場合に必要だった費用が残った、ということを理由に加算される相続分の付加分です。

しかし、春樹さんが利子さんより先にお亡くなりになった場合は、お気の毒ですが、英子さんの利子さんに対する介護の苦労は、法律的には何らの権利も生まないのです。

このようなときこそ、遺言書が不可欠です。

利子さんに「私が死んだら、自宅不動産は英子さんにあげる」という遺言書を作っておいてもらえば、英子さんは弟冬樹さんから「出て行ってくれ」と言われることなく、住み続けられたのです。

「相続人でないのに、家をもらったら、高い贈与税がかかるのでは?」と心配される方もあるかもしれませんが、贈与税はかかりません。

「私が亡くなった場合にあげる」というのを「遺贈(いぞう)」といいますが、遺贈は、相続税の2割加算の税金がかかるだけです。

利子さんの遺産総額が3600万円以内の場合は、相続税は非課税範囲内

(相続税基礎控除額3000万円+600万円×法定相続人の数)

ですので、英子さんが自宅を遺贈により取得しても税金はかからないのです。

具体的には、税理士にご相談頂く必要がありますが、贈与税のような高税率の税金のご心配はありません。

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