【ケース8】いずれ遺言書を書いてもらうつもりだったのに…

元気な父に、遺言書を書いてとは言い出しにくくて…

父修二は、自宅の1階で小さなレストランを経営しており、2階、3階が住まいになっている。

二男である私啓太が後継ぎとして父と一緒に1階のレストランでシェフとして働き、2階には父が、3階には私と妻が住んでいる。

父は5年前に離婚しており、父の相続人は私と兄の優太だけだ。

 

長男である優太は、東京の大学に進学して、そのまま東京で就職してしまい、めったに帰って来ない。

このレストランは私の仕事場でもあり、父に万一のことがあったときは、私が相続させてもらわないと、私の家族も生活が成り立たなくなる。

なので、父には遺言書を書いてもらおうと、前々から思っていたが、元気に働いている父に遺言書のことなど言い出しにくく、また、父はまだ若いし、もう少し先でいいか、とも思い、遺言書のことを真剣に話さなかった。

ところが、父が交通事故にあい、58歳であっけなく亡くなってしまった。

父の財産を確認したところ、自宅とレストランの土地建物のほか、預金はわずか。

image17案の定、兄が2分の1の権利を主張してきた。

やっぱり、父に遺言書、書いておいてもらえばよかった・・・。

 

【弁護士からひと言!】

 ■遺言書は、いつでも何度でも書き直しOK!■

財産を譲り受ける方から、被相続人となる方に対して、「遺言書を作って欲しい。」と言い出しにくい、というお気持ち、よくわかります。

「わしは、まだまだ、元気だ!」とか「そんなに早くに死なせたいのか!」などと感情を害するのではないか・・・と。

でも、人間、どんなことがあるかしれません。

昨日までお元気だった方が突然にお亡くなりになることもあるのです。

実際、私が担当した案件でも、事故で急にお亡くなりになったり、昨日までお元気だったのに、突然に倒れられてそのままお亡くなりになったケースも少なくありません。

このようなこともある、ということを前提に、特に、事業を承継される方のために必要な資産については、早めに対策を行っておくべきです。

「これから、先が長いのに、状況が変わるかもしれない。もう少し、様子を見てから、遺言書のことは考える。」とおっしゃる方もおられるかもしれません。

しかし、状況が変わって、以前に作った遺言書では現状に合わない、ということになったときは、遺言書は書き換えることができます。何度、書き換えてもいいのです。

また、遺言書に記載した財産は、遺言書作成後には処分できないと思っておられる方もいるようですが、それは誤解です。

例えば、修二さんが啓太さんに自宅兼レストランの不動産を相続させるという遺言書を書いた後でも、これを売却してもかまわないですし、遺言書に記載した預貯金を使っても一向にかまいません。

遺言書は、「もし、遺言者が亡くなった時に、その財産があれば、あげますよ。」というものなのです。

ですから、遺言書は作成したからといって、その後、何も制約を受けることはありません。

残される方々のためにお元気なうちから遺言書を作ること、また、ご自身のために、早めに親御さんに遺言書作成のお話をされることをお勧めします。

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