【ケース13】あとで借金がわかったときは…

父の一周忌が過ぎてから、督促状が届いた!

父の正輝が亡くなって1年。

救急車で運ばれて、病院で長男の私直樹と母智子が見守る中、静かに息を引き取った。

 

父は自営業だったが生活に精いっぱいで、資産らしいものは何も残っていなかったため、何の手続もしていない。

ところが、昨日突然銀行から父が友人である大島敦さんの連帯保証人になっていて、その借金1000万円を私と母に支払うようと督促状が届いた。image22

びっくりして、銀行に電話して事情を確認すると父は亡くなる5年前に大島さんが事業資金を借りるときに連帯保証人になっており、このたび大島さんが破産したので、父の相続人である私たちに支払う義務があると言われた。

母も父が大島さんの連帯保証人になっていたことは、まったく知らなかったらしい。

私たちは1000万円を支払わなくてはいけないの?

 

【弁護士からひと言!】

■万一にそなえ、生前整理やエンディングノートの作成を■

相続人は、被相続人の預貯金や不動産などのプラスの財産も相続により取得しますが、借金などのマイナスの財産も受け継がなければならないことになります。

被相続人のプラスの財産よりマイナスの財産が多いときは、相続人は、家庭裁判所に相続放棄の手続をすることを検討することになります。

相続放棄手続をすれば、相続人は被相続人のプラスの財産を受け取ることはできなくなりますが、マイナスの財産も受け継ぐことはなくなります。

相続放棄の手続ができるのは、相続の開始を知った時、つまり被相続人の方が亡くなったことを知ったときから3か月以内とされています。

智子さんと直樹さんの場合、正輝さんが亡くなった当日にこれを知ったことになりますので、すでに3か月は過ぎてしまっています。

しかし、智子さんや直樹さんが、正輝さんにはプラス財産もマイナス財産もまったくないと思っていたのに、あとから借金が出てきたという場合には、借金があることがわかった日から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続をすれば足りるという裁判所の取扱が確立しています。

ですから、智子さんも直樹さんも、銀行からの通知を受け取った日から3か月以内に裁判所に相続放棄の手続をすれば、支払はしなくてよいということになります。

但し、例えば、正輝さんに若干の預金があって、すでにこれを智子さんと直樹さんが使ってしまっている、というような場合には、相続放棄ができなくなる可能性があります。

正輝さんの財産を自分が相続したものとして手続をした場合には、その時点で相続することを承認したものとして家庭裁判所が相続放棄を認めない可能性があるからです。

しかし、この場合にも、取得した預金の金額や個別の事情によって、相続放棄の手続が可能な場合もあります。諦めてしまわずに、弁護士に相談してみてください。

相続開始後3か月以上経過してから債務があることが判明するケースは、しばしば、あります。

特に連帯保証人となっている場合は、実際に借りた人(主債務者といいます)が決められたとおりの返済をしている限り、連帯保証人には連絡はきませんので、連帯保証人ご自身が忘れてしまっていることもあります。

相続人の方々が困らないようにするためにも、お元気なうちから、ご自身の預貯金や不動産などの財産、借入や連帯保証などの債務を整理してメモしておくことをお勧めします。

相続放棄手続のサポート(費用)はこちら

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